「デッド オア アライブ」の父、板垣伴信氏に捧げられた追悼メッセージ:桜井政博、原田勝弘ら著名開発者たちの想い

「デッド オア アライブ」の父、板垣伴信氏に捧げられた追悼メッセージ:桜井政博、原田勝弘ら著名開発者たちの想い

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「デッド オア アライブ」シリーズや「NINJA GAIDEN」シリーズの生みの親として知られるゲームクリエイター、板垣伴信氏が58歳で逝去したことが、10月16日に本人のFacebookアカウントを通じて公表されました。この訃報は、世界中のファンのみならず、特に日本のゲーム開発者コミュニティに大きな悲しみと衝撃をもたらし、多くの著名なクリエイターたちから追悼のメッセージが寄せられています。

故人を偲ぶ著名開発者たち

Facebookに投稿された板垣氏の最後のメッセージは、自身の人生を「戦いの連続」と表現し、信念を貫き通した戦いに後悔はないとしながらも、「ファンの皆さんに新しいゲームを届けられなかったこと」を心から残念に思っていると綴られています。このメッセージに対し、格闘ゲーム界の重鎮である「鉄拳」シリーズのプロデューサー原田勝弘氏は、「まさか板垣さんと次にお会いするときは、飲みに行こうと話していたのに」と、最期の言葉を惜しむコメントを寄せました。また、「NINJA GAIDEN」シリーズで共にチームを組んだ「Team Ninja」からは、「板垣さんが築き上げた哲学と創造性を引き継ぎ、多くのゲーマーに愛されるゲームを作り続けていく」との声明が発表されました。

「スマブラ」シリーズのプロデューサーである桜井政博氏も、X(旧Twitter)上で「安らかに眠られますように」と追悼の意を表しています。さらに、「スーパーロボット大戦」シリーズの寺田貴信氏や、「ドラゴンクエスト」シリーズの市村龍太郎氏といった、異なるジャンルで活躍する開発者たちも、板垣氏との交流を振り返り、その人柄やゲーム業界への情熱を称賛し、故人の遺志を継いでいく決意を新たにしています。

板垣氏がゲーム業界に遺したもの

板垣伴信氏は、1990年代初頭にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)に入社し、「デッド オア アライブ」シリーズで格闘ゲーム界に革命をもたらしました。その後、Xboxでリブートされた「NINJA GAIDEN」シリーズでは、その高い難易度とアクション性で新たなファン層を獲得。2008年にテクモを退社後、自身のスタジオを設立し、2015年には「Devil's Third」をリリースするなど、生涯を通じて意欲的にゲーム制作に取り組みました。2021年には新たなゲーム制作を目指し「板垣ゲームズ」を設立しましたが、その夢は叶わず、58歳という若さでその生涯を閉じました。

ゲームクリエイターの連帯と未来への継承

板垣氏の訃報は、ゲーム開発者たちがジャンルや会社の垣根を越えて、互いをリスペクトし、支え合っている関係性を浮き彫りにしました。原田氏が語るように、ライバルでありながらも「戦友」と呼び合える関係性は、日本のゲーム業界の健全な競争と発展の証と言えるでしょう。Team Ninjaの声明にあるように、板垣氏が培ってきた革新的なゲームデザインや情熱は、確かに次世代へと引き継がれていくはずです。彼が遺した功績は、これからも多くのクリエイターたちに影響を与え、新たなゲーム体験を創造するための礎となるでしょう。

「板垣さんの言葉を胸に、これからも新しい作品を作り続けていきたい」という市村氏の言葉は、多くの開発者の共通の想いを代弁しているかのようです。板垣伴信氏という偉大なクリエイターの魂は、彼が愛したゲームの世界で生き続けることでしょう。

画像: AIによる生成