
「ハートストッパー」のライター、Wren Jamesが贈る新境地!『The Victors』が描く、世界を救ったヒーローと元宿敵の奇妙な同居生活
Netflixの人気シリーズ「ハートストッパー」の脚本開発に携わったWren James氏が、イラストレーターのBeth Fuller氏と共に、自身初となるYA(ヤングアダルト)向けグラフィックノベル『The Victors』を刊行します。本作は、世界を救ったはずのヒーローと、かつて彼と対立していた宿敵が、ひょんなことから同居することになるという、ユニークな設定のファンタジー作品です。
世界を救った後のヒーローと宿敵の日常
物語の始まり:選ばれし者とその宿敵
『The Victors』は、15歳で世界を悪の支配者から救ったとされる主人公ダーク・アーネストの物語です。しかし、世界を救った英雄としての名声とは裏腹に、彼は普通の大学生活を送ろうとしていました。そんな彼の前に現れたのは、かつての宿敵であり、悪魔の兵士でもあったメデューサ・デ・ラ・ニュージュ。皮肉にも、二人は大学のフラットメイトとして生活を共にすることになります。
予言されなかった同居生活
「選ばれし者が世界を救う」という予言はあったものの、「二人が同居する」という予言はどこにもありませんでした。ダークは過去の亡霊に、メデューサは悪魔としての本能と人間との繋がりとの間で葛藤を抱えながら、二人の奇妙で予測不能な共同生活が始まります。
ファンタジーと日常の融合
本作は、王道ファンタジーの要素に加え、二人の若者の繊細な心理描写や、ユーモラスな日常が描かれています。ゴシック調の魔法都市を舞台に、ダークの「ヒーローとしての重圧」とメデューサの「人間らしい生活への渇望」が交錯し、読者に新たなファンタジーの形を提示します。
『The Victors』が切り拓く、新たなファンタジーの地平
「もしも」の世界を描くことの魅力
Wren James氏は、「ハートストッパー」での脚本開発経験から、視覚的な物語表現の可能性に魅力を感じ、本作の執筆に至ったと語っています。ダークとメデューサという対照的な二人のキャラクターを軸に、「世界を救った後」という、通常あまり描かれない「その後」の世界を描くことで、読者に新鮮な驚きと感動を与えます。これは、既存のファンタジーの枠を超え、「もしも」の世界を深く掘り下げることの重要性を示唆しています。
多様な読者層に響く作品性
編集者のノン・プラット氏は、『The Victors』が、ジョン・アリソンの『Giant Days』のようなウィットと洞察力、そしてカサンドラ・クレアの世界観のような緻密な設定を併せ持つと評しています。この作品は、現代のYA文学におけるグラフィックノベルの需要の高まりに応えるだけでなく、ファンタジー、日常、そしてキャラクター同士の繊細な関係性を求める幅広い読者層にアピールする可能性を秘めています。
「ありえない」関係性の可能性
ヒーローと宿敵という、本来相容れないはずの関係性が、日常を共にすることで変化していく様は、人間関係の本質を問いかけます。本作は、互いの違いを認め合い、弱さを補い合うことで生まれる絆の強さを描き出し、読者自身の人間関係や他者との関わり方について深く考えさせるきっかけを与えてくれるでしょう。これは、現代社会が抱える分断や対立を超えて、相互理解と共感を育むことの重要性を物語っています。