
ポータブル超音波センサーで乳がんの早期発見を加速:MIT開発の新技術
MITの研究者たちが、乳がんの早期発見を大きく前進させる可能性を秘めた、小型化されたポータブルな超音波システムを開発しました。この新技術は、自宅や診療所での超音波検査をより身近にし、乳がんの早期診断率を高めることが期待されています。早期発見は、治療の成功率を大幅に向上させる鍵となります。
革新的なポータブル超音波システムの概要
画期的な小型プローブと処理モジュール
この新システムは、スマートフォンよりわずかに大きい acquisition and processing module(データ取得・処理モジュール)に接続された、小型の超音波プローブで構成されています。プローブはトランプの箱よりも小さく、空いた正方形の形状に配置された超音波アレイを備えています。この配置により、下層の組織の3D画像をリアルタイムで再構成・表示することが可能です。
携帯性と利便性の向上
開発されたシステムは、ノートパソコンに接続して持ち運びが可能であり、場所を選ばずに wide-angle 3D 画像をリアルタイムで表示できます。「すべてがよりコンパクトになり、農村地域での使用や、この種の技術へのアクセスに障壁がある人々にとって、利用が容易になる可能性があります」と、研究の主任著者であるMITのCanan Dagdeviren准教授は述べています。
低コストで高機能なデータ処理
データ処理を行うマザーボードは、スマートフォンのサイズに近く、製造コストは約300ドルです。使用される電子部品はすべて市販品であり、従来の大型で高価な超音波装置とは対照的です。これにより、高機能な診断ツールが、高価な医療機器が設置された病院だけでなく、より多くの場所で利用可能になります。
早期発見の重要性
乳がんの早期発見は、生存率に直結します。初期段階で発見された場合の生存率はほぼ100%ですが、進行した段階では約25%に低下します。従来のマンモグラフィでは見逃されがちな「interval cancers(検診間発症がん)」の早期発見に、このポータブル超音波システムが貢献することが期待されています。
今後の展望と技術の可能性
家庭での利用とAIの活用
将来的には、このシステムがさらに小型化され、スマートフォンのアプリと連携することで、高リスク群の女性が自宅で簡単に使用できるようになることを目指しています。AIアルゴリズムを活用したアプリは、最適なプローブの配置場所をガイドし、より正確な検査を支援する可能性があります。
医療アクセスの格差解消への貢献
このポータブル超音波システムは、高価な医療機器や熟練した技術者へのアクセスが限られている地域や国々での乳がんスクリーニングを改善する可能性を秘めています。医療アクセスの格差を解消し、より多くの人々が早期診断の恩恵を受けられるようになることが期待されます。
実用化に向けた動き
Dagdeviren准教授は、この技術を商業化するための会社を設立する準備を進めており、MITの支援を受けています。臨床試験も進行中であり、実用化が現実味を帯びてきています。