マクドナルド超え！世界最大のファストフードチェーン「Mixue」NY進出、1ドルドリンクの衝撃

世界最大のファストフードチェーンであり、マクドナルドをも凌ぐ規模を誇る「Mixue Ice Cream & Tea」が、ニューヨーク市に米国初となる店舗をオープンした。1ドルから購入できる手頃な価格のドリンクとアイスクリームで、アジアを中心に45,000店以上を展開するこの中国発のブランドが、いよいよアメリカ市場に本格参入する。

内容紹介

Mixue Ice Cream & Teaとは？

「Mixue Bingcheng」という正式名称を持つこのチェーンは、「蜜雪氷城」と訳され、「甘い雪と氷の街」という意味を持つ。2025年9月10日現在、世界中に45,000店以上を展開しており、その多くはアジア、特に中国国内に約40,000店が存在する。インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシアなど、東南アジアを中心に急速な拡大を見せている。手頃な価格帯（多くが1ドル以下）のメニューには、クリーミーなマンゴーボバや、オーツ麦やココナッツゼリーが入ったジャスミンティー、ミルクティーなどがあり、若者を中心に人気を集めている。

ニューヨークへの進出

今回オープンしたニューヨーク店は、キャナルストリートの266番地に位置し、2,100平方フィートの広さを持つ。10年間のリース契約が結ばれており、家賃は1平方フィートあたり165ドルという、マンハッタンでは比較的手頃な価格設定であると報じられている。この進出は、中国の飲食ブランドが長年アメリカのアイコン的存在であったグローバル市場へ進出する流れの一環とも言える。

成功の要因と今後の展望

Mixueは1997年に、当時大学生だった張紅超氏が鄭州で始めたかき氷店が原点である。その後、フランチャイズ展開を主軸に驚異的なスピードで成長を遂げた。2025年初頭には香港証券取引所に上場し、2025年上半期だけで3億7600万ドルの純利益を計上している。同社は「Time100」の最も影響力のある企業リストにも名を連ねている。ニューヨークという多様な食文化を持つ都市で、1ドルアイスやタピオカドリンクが、7ドルラテが標準的なこの街で受け入れられるかが注目される。

グローバル化する食市場とMixueの戦略

中国発ブランドの台頭

Mixueの米国進出は、単なる一企業の海外展開というだけでなく、グローバルな食市場における中国ブランドの存在感が増していることの表れである。これまで欧米のファストフードチェーンが席巻していた市場において、Mixueは「低価格」と「SNS映えするメニュー」という二つの武器を駆使して、特に若年層の支持を獲得してきた。この成功モデルが、アメリカ市場でどこまで通用するのかは、今後のグローバル展開を占う上で重要な試金石となるだろう。

低価格戦略の持続可能性

Mixueの最大の魅力である「低価格」は、多くの消費者にとって魅力的である一方、その持続可能性については疑問も呈される。特に、原材料費や人件費が高騰するアメリカ市場において、1ドルという価格帯を維持しながら、品質を保ち、利益を出すことは容易ではない。しかし、同社が既にアジア市場で培ってきたサプライチェーンの効率化や、フランチャイズオーナーへの強力なサポート体制があれば、この課題を克服できる可能性もある。ニューヨークでの店舗運営の成功が、今後のアメリカ全土への展開の鍵を握る。

食文化の多様化と消費者行動の変化

Mixueの登場は、アメリカの消費者に新たな選択肢を提供するだけでなく、食文化の多様化をさらに促進するだろう。これまで「ファストフード」というと、ハンバーガーやピザなどが主流であったが、Mixueのようなアジア発のスイーツ＆ドリンクブランドが定着することで、消費者の価値観や行動様式にも変化が生じる可能性がある。特に、Z世代を中心とした「体験」や「トレンド」を重視する消費者層は、SNSでの情報拡散力も高く、Mixueのようなブランドにとっては追い風となるかもしれない。