
Western Digital、AI時代のHDD革命:容量・性能・電力効率を飛躍的に向上させる新ロードマップ
Western Digitalは、AIワークロードの需要増に対応するため、ハードディスクドライブ(HDD)の容量、パフォーマンス、消費電力に関する新たなロードマップを発表しました。このロードマップは、AI時代におけるデータストレージのインフラストラクチャパートナーとしての同社の地位を強化するものです。
AI向けHDDロードマップ:進化するストレージソリューション
Western Digitalは、AIワークロードの需要増に対応するため、ハードディスクドライブ(HDD)の容量、パフォーマンス、消費電力に関する新たなロードマップを発表しました。このロードマップは、AI時代におけるデータストレージのインフラストラクチャパートナーとしての同社の地位を強化するものです。
内容紹介
40TB UltraSMR ePMR HDDの顧客認定
Western Digitalは、現在世界で最も容量の大きい40TBのUltraSMR ePMR HDDが、すでにハイパースケール顧客の認定を受けていることを発表しました。このドライブは2026年下半期に量産される予定です。
HAMR技術搭載HDDの展開
熱アシスト磁気記録(HAMR)技術を搭載したHDDの認定もハイパースケール顧客で進行中であり、2027年に生産が本格化する見込みです。
AIワークロード向けのパフォーマンス向上技術
WDは、これまでフラッシュメモリ専用と考えられていたAIワークロードをサポートするための新しいパフォーマンス技術を発表しました。
「High Bandwidth Drive」技術は、複数のヘッドとトラックで同時に読み書きを可能にし、従来のHDDの2倍の帯域幅を実現します。
「Dual Pivot」設計は、独立して動作するアクチュエーターを追加することで、容量を犠牲にすることなくシーケンシャルI/Oパフォーマンスを向上させます。
これらの技術により、HDDはフラッシュメモリとのパフォーマンスギャップを大幅に縮小しつつ、HDDのコストメリットを維持することが期待されます。
消費電力の最適化
WDは、AIのコールドデータ向けに最適化された新しいクラスのHDDを発表しました。これらのドライブは消費電力を約20%削減し、ウォームストレージとコールドストレージのギャップを縮小することで、大規模AIデータ保持のための総所有コストを削減します。これらのドライブは2027年に計画されています。
プラットフォーム事業の拡大
ハードウェアに加え、WDは大規模エンタープライズ顧客の複雑さを軽減し、価値実現までの時間を短縮するために、プラットフォーム事業を拡大することも発表しました。
2027年にリリース予定のインテリジェントなソフトウェアレイヤーは、オープンAPIを通じて提供され、200ペタバイト以上の規模で運用される組織にハイパースケールストレージの経済性をもたらすことを目指しています。
AI時代におけるストレージの進化とWDの戦略的意義
Western Digitalの新たなロードマップは、AIワークロードの爆発的なデータ増加に対応するために、HDDがいかに進化し続けているかを示しています。特に、容量の増大、パフォーマンスの向上、そして消費電力の削減は、AIインフラストラクチャの持続可能性と経済性に不可欠な要素です。
AIワークロードとHDDの親和性
AI、特に機械学習やディープラーニングでは、大量のデータを効率的に保存・アクセスする必要があります。これまでSSDのようなフラッシュストレージがその高速性から注目されてきましたが、データ量の増加に伴い、コスト効率と大容量ストレージの重要性が再認識されています。WDが発表したUltraSMRやHAMRといった新技術は、HDDの容量あたりのコストをさらに低下させ、テラバイト級のデータセットを扱うAI開発者にとって魅力的な選択肢となります。
パフォーマンスギャップの縮小とハイブリッド戦略
High Bandwidth Drive技術やDual Pivot設計は、HDDのシーケンシャルI/O性能を大幅に向上させ、従来のHDDの弱点であったランダムアクセス性能の低さを克服する可能性を秘めています。これにより、AIモデルのトレーニングや推論に必要なデータアクセス速度が向上し、フラッシュストレージとの性能差が縮まることで、HDDとフラッシュを組み合わせたハイブリッドストレージ戦略の有効性が高まります。コストとパフォーマンスのバランスを取りながら、AIワークロードの多様な要求に応えることが可能になるでしょう。
消費電力削減がもたらすTCOの最適化
AIデータセンターでは、消費電力と冷却コストが運用コストの大きな部分を占めます。WDが提案する消費電力最適化HDDは、AIコールドデータへのアクセス性を維持しつつ、電力消費を約20%削減することで、データセンター全体の総所有コスト(TCO)削減に大きく貢献します。これは、持続可能なAIインフラの構築に向けた重要な一歩と言えます。WDのCEO、アービング・タン氏は「WDは、AIの要求を満たすためにハードドライブを再考することを可能にする実行とイノベーションの加速に継続的に焦点を当ててきました」と述べており、同社の戦略がAIの普及を支える基盤となっていることが伺えます。
Western Digitalのこの動きは、単なるストレージ容量の拡大に留まらず、AI時代に求められる高度な要求に応えるための技術革新への強いコミットメントを示しています。今後、HDDがAIデータインフラストラクチャにおいて、より中心的な役割を担っていく可能性が高いと言えるでしょう。