
欧州アルミニウム缶リサイクル率76.3%達成、循環型社会へ前進
欧州におけるアルミニウム飲料缶のリサイクル率が、2023年に過去最高の76.3%を記録しました。これは、アルミニウム産業が掲げる2050年までの100%循環型社会達成に向けた重要な進展であり、リサイクルされたアルミニウムが欧州の循環経済に貢献していることを示しています。
アルミニウム缶リサイクルの現状と進展
過去最高の76.3%を記録
欧州連合(EU)、英国、スイス、ノルウェー、アイスランドを対象とした最新の報告によると、2023年のアルミニウム飲料缶のリサイクル率は76.3%に達しました。市場投入量とリサイクル量の両方が前年比で増加しており、リサイクルされたアルミニウムが欧州の循環経済に再投入されていることが確認されています。
デポジットリターンシステム(DRS)の効果
デポジットリターンシステム(DRS)が導入されている国々で、リサイクル率の向上が顕著に見られます。例えば、2023年にDRSを導入したマルタでは、リサイクル率が50%から80%へと急増しました。また、2022年にDRSを導入したラトビアとスロバキアも、それぞれ14%増(60%→74%)と33%増(58%→91%)という大幅な成長を記録しました。
循環経済と気候変動対策への貢献
アルミニウムのリサイクルは、一次生産と比較して95%少ないエネルギーで済むため、CO₂排出量を大幅に削減します。2023年のリサイクル量の増加は、570万トンの温室効果ガス排出削減に貢献しました。これは、50万人以上の人口を抱える都市(例:リヨン、グダニスク)の年間排出量に匹敵する規模です。
アルミニウムリサイクルの未来:循環型社会への道筋
DRSの普及と「缶から缶へ」のリサイクル促進
今回の報告は、アルミニウム産業がEUの気候アジェンダと循環経済目標に貢献する上で不可欠な役割を果たしていることを強調しています。DRSの成功的な実施とアルミニウムスクラップに対する輸出関税の導入は、欧州における「缶から缶へ」のリサイクル(closed loop can-to-can recycling)をさらに推進するでしょう。MPEとEAは、欧州レベルでのリサイクル率の向上と、DRSを通じた国内の収集インフラの改善を支援していく方針です。
アルミニウムの永続的な価値と今後の展望
アルミニウムは、何度リサイクルしてもその特性が変わらない「永久素材」であり、循環資源としての価値が非常に高い素材です。2023年には12のEU加盟国でアルミニウム飲料缶のDRSが導入されており、今後もその数は増加していく見込みです。この勢いは、アルミニウム飲料缶の完全な循環型リサイクルへの道筋が、欧州全域で形成されつつあることを明確に示しています。業界は2050年までに100%のサーキュラーエコノミー達成に向けて、引き続き取り組んでいきます。