
AIデータセンターのCPU開発を加速させるRISC-V:AheadComputingが3000万ドルの資金調達に成功
AheadComputing Inc.は、人工知能(AI)の将来的なニーズに対応する次世代パフォーマンスを提供する画期的な中央処理装置(CPU)マイクロアーキテクチャを開発する企業であり、この度、初期段階の資金調達ラウンドで3000万ドルを調達したことを発表しました。このラウンドはEclipse、Toyota Ventures、Cambiumが共同で主導し、同社のこれまでの累計資金調達額は5300万ドルに達しました。Corner、Trousdale、EPIQ、MESH、Stataもこのラウンドに参加しています。
AIワークロードを支えるCPUの重要性
AIとデータセンターの未来
AIはすでに、ハイパースケールデータセンター、ワークステーション、PC、ハイエンド組み込みシステムにおけるコンピューティングニーズの主要な指標となっています。McKinsey and Co.の予測によると、2030年までにデータセンターのコンピューティング需要の70%がAIワークロードによるものになると見込まれています。
CPUはコンピューティングエコシステムの心臓部
AheadComputingの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるDebbie Marr氏は、Intelで35年間、常に最先端技術に携わってきた経験を持ち、特にIntelをサーバー市場に参入させたマルチプロセッサアーキテクトでした。Marr氏は、「CPUはコンピューティングエコシステムの中で最も複雑な部分の一つです」と述べています。AIは推論のために強力なGPUを必要としますが、AIが活用するあらゆるものは、その周辺の作業をオーケストレーションするための強力なCPUを必要とします。これには、データベース、分析ワークロード、そしてAIが行う計算の合間に行われる論理的な思考が含まれます。CPUなしでは、インフラ全体が停止してしまいます。
RISC-Vアーキテクチャへの注目
Intel x86からの転換:RISC-Vの利点
Marr氏がIntelのx86アーキテクチャで深い経験を持つにもかかわらずRISC-Vに移行した理由は多岐にわたります。x86は比類なきエコシステムの深さを持っていますが、そのパフォーマンス革新は、数十年にわたるマイクロコード命令と互換性のサポートというレガシーが、進化のスピードを遅らせています。ARMは、競合の中で最も近い存在ですが、モバイル分野で巨大なフットプリントを持ちながらも、ライセンスを通じて中央集権的に管理されています。
オープンスタンダードとイノベーションの可能性
RISC-Vは、すでに大手企業内のマイクロコントローラーに広く採用されており、Nvidiaを含む広範な採用に向けた勢いがあります。また、オープンスタンダードであるため、アーキテクチャのイテレーション(改良)が可能であることが、AheadComputingが選択した理由です。
AheadComputingの今後の展望
CPU開発の長期的な道のり
今回の資金調達により、AheadComputingは革命的なCPUアーキテクチャの開発という長期的な目標を推進するための燃料を得ました。Marr氏は、CPUの研究開発は「書いて出荷する」ようなものではないことを明確にしました。同社はすでに主要なファウンドリと接触しており、関心を示しています。台湾積体電路製造(TSMC)を通じた初期のテープアウト(試作)パスが計画されていますが、公表リリース日は未定です。
イノベーションに限界はない
Marr氏は、「イノベーション、パフォーマンス、電力効率において限界はありません。歴史は、人々が常に限界があると考えてきたことを示していますが、現実は彼らが常に間違っていることを示しています」と語り、CPU技術の無限の可能性を強調しました。