
AIアートはNG!「Divinity」開発でLarian Studiosが明かした、人間の創造性を最優先する理由
Larian StudiosのCEOであるSwen Vincke氏は、開発中の次期「Divinity」シリーズにおいて、生成AI(Generative AI)を一切使用しないことをRedditのAMA(Ask Me Anything)セッションで明言しました。この声明は、ゲーム業界全体でAIの利用が過熱する中、憶測や懸念を払拭し、人間のクリエイターの権利と作品の真正性を守るというスタジオの強い意志表明です。
「Divinity」におけるAI排除の背景と理由
コンセプトアートにおけるAI不使用の徹底
Larian Studiosは、「Divinity」のコンセプトアート制作において、生成AIツールの使用を全面的に控えることを決定しました。これは、アートワークの出所に関する一切の議論を避けるためであり、開発されるアートのオリジナリティと人間による創造性を保証するものです。 Vincke氏は、過去のAIツール実験に関する混乱を招くような議論に終止符を打つ意向を示しています。
文章作成におけるAIの影響排除
AIの使用はアート分野に留まらず、ライティングディレクターのAdam Smith氏も、文章作成、特に「Divinity」の核となる物語要素であるダイアログやジャーナルエントリーにおいて、AI生成テキストを一切使用しないと明言しました。Smith氏は、実験的にAIツールを用いたものの、その品質は人間のライターの最低限の品質にも及ばず、膨大な修正作業が必要になると結論づけ、AIが効率化に寄与しないことを指摘しています。
AIツールの活用はあくまで開発効率化の「研究」段階
一方で、Larian StudiosはAI技術そのものを完全に否定しているわけではありません。Vincke氏は、AIが開発プロセス全体の反復作業を高速化し、アイデアの洗練、無駄の削減、そして最終的なゲーム品質の向上に貢献する可能性を認識しています。そのため、AIは「研究段階」として、各部署で試行錯誤が続けられており、将来的にはLarianが所有するデータやアートで学習されたAIモデルを活用する可能性は示唆されています。
AI利用を巡る業界の議論とLarianの立場
クリエイティブ産業におけるAIの是非
ゲーム開発におけるAIの利用は、著作権、オリジナリティ、そして人間のクリエイターの雇用といった多くの倫理的・実務的な問題を提起しています。今回のLarian Studiosの声明は、これらの問題に対して、クリエイターの権利と作品の真正性を守るという明確な立場を示したものです。例えば、「Clair Obscur: Expedition 33」のような事例は、AI生成アセットの使用に対する業界の厳しい視線を示しており、Larianの慎重な姿勢は多くの開発者にとって参考となるでしょう。
「Baldur's Gate 3」の成功がもたらすプレッシャーと今後の展望
「Baldur's Gate 3」で記録的な成功を収めたLarian Studiosは、次期作「Divinity」でさらなる期待が寄せられています。この大きなプレッシャーの中で、スタジオは作品の品質と創造性を最優先する姿勢を崩しません。AI技術の進化が続く中、Larian Studiosがどのようにして人間の創造性とAIの効率性をバランスさせながら、革新的なゲーム体験をユーザーに提供していくのか、その動向が注目されます。