映画界に革命!犬のインディ、アカデミー賞主演男優賞に「立候補」の衝撃 - 歴代動物俳優の功績も再評価なるか?

映画界に革命!犬のインディ、アカデミー賞主演男優賞に「立候補」の衝撃 - 歴代動物俳優の功績も再評価なるか?

カルチャーオスカー映画演技ホラー映画

ホラー映画『Good Boy』で、犬の視点から物語が描かれるという斬新なアプローチで話題を呼んでいるインディ。この映画の配給会社であるIFCは、アカデミー賞の対象が人間俳優に限られている現状に対し、ユーモアを交えた公開状で異議を唱え、インディを主演男優賞部門に推薦しています。

歴代の動物俳優への敬意

インディの視点から書かれたとされる公開状では、過去に『ベイブ』の豚役、『ホワイト・ファング』の狼犬役、『フリー・ウィリー』のシャチ役など、数々の動物俳優がアカデミー賞で正当な評価を受けてこなかった事実が指摘されています。「アカデミーは私たちに骨(=評価)を投げかけるまで、どれだけの素晴らしい演技を見過ごせばいいのか?」と問いかけ、動物たちの貢献がなおざりにされている現状への不満を表明しています。

映画『Good Boy』の商業的成功

映画『Good Boy』は、夏に公開された予告編とポスターがSNSで1億回以上再生され、大きな注目を集めました。当初は小規模公開を予定していましたが、予想をはるかに超える反響を受け、大規模公開へと舵を切りました。結果として、公開週末には230万ドル以上を稼ぎ出し、IFCにとって歴代2番目のオープニング興行収入を記録しました。

動物俳優を称える賞の現状

現在、映画界で動物俳優の貢献を称える賞は限られています。1939年にアメリカン・ヒューメイン・ソサエティが創設した「PATSY賞(Picture Animal Top Star of the Year)」がありましたが、1970年代半ばに廃止されました。また、カンヌ国際映画祭では2001年から「パーム・ドッグ賞」が設けられ、毎年、映画祭で上映される作品の中から最高の犬の演技を表彰していますが、オスカーのような世界的な映画賞で動物俳優が正式に評価される機会は、依然として少ないのが現状です。

映画賞における「人間中心主義」からの脱却

インディのアカデミー賞ノミネートを求める動きは、映画賞が長年抱える「人間中心主義」への挑戦と捉えることができます。技術の進歩により、CGや特殊効果が高度化する一方で、実在の動物が演じる演技の価値が見過ごされがちです。本件は、動物だからという理由だけで演技の質が二の次にされるべきではない、という問題提起をしています。

多様な「演技」の再定義の必要性

「演技」とは何か、そして「俳優」とは誰を指すのか。この問いを改めて私たちに投げかけています。『Good Boy』におけるインディの演技が、もし人間が演じた場合に称賛されるレベルのものであるならば、その功績を動物であるという理由だけで無視することは、芸術の多様性を否定することになりかねません。映画賞の審査基準やカテゴリの柔軟な見直しが、今後の映画界の発展に不可欠であると考えられます。

映画界における動物保護と倫理的課題への意識向上

インディのキャンペーンは、映画製作における動物の扱い方や倫理的な問題への関心を高めるきっかけにもなり得ます。動物たちが映画に貢献する一方で、その権利や福祉が十分に守られているのか、という議論を深める機会となるでしょう。アカデミー賞がこの動きにどう反応するかは、映画界全体の動物に対する姿勢を示す試金石となるかもしれません。

画像: AIによる生成