
なぜ韓国料理にワイン?オレゴン産ワインで引き出す「新たなペアリングの可能性」
世界中で韓国料理の人気が高まる一方で、ワインとのペアリングはこれまであまり注目されてきませんでした。ピザやパスタといった定番料理にワインを合わせるのとは異なり、スパイシーで複雑な風味を持つ韓国料理とのマリアージュには、新しい視点が必要です。本記事では、オレゴンのワイナリー「CHO Wines」の創設者であるLois Cho氏の知見を借りながら、韓国料理とワインが織りなす意外な調和と、新たな食体験のヒントを紹介します。
韓国料理を彩るオレゴン産ワインのペアリング術
韓国風フライドチキン×スパークリングワイン
韓国風フライドチキンの特徴である、サクサクとした衣とジューシーな肉、そして甘辛くガーリックの効いたソースには、「2025 CHO Bubbles」のようなスパークリングワインが最適です。ピノ・グリから作られるこのワインの明るい酸味と弾ける泡が、チキンの脂っこさを中和し、後味を繊細かつクリーンに仕上げてくれます。
焼きサバ×シャルドネ
塩焼きにしたサバは、韓国の家庭料理の定番です。これには「2023 Hundred Suns Old Eight Cut Chardonnay」を合わせます。このシャルドネが持つフリント(火打ち石)のようなニュアンスが魚の香ばしさと調和し、酸の効いた骨格が、サバの脂の旨味を上品に引き立てます。
カルビ×ピノ・ノワール
甘辛い醤油ベースのタレで味付けされたカルビには、「2024 Evening Land Seven Springs Pinot Noir」が適しています。ピノ・ノワールの持つ明るい酸味と大地の香り(アーシーさ)が、グリルの焦げ目や肉の甘みと複雑に絡み合い、料理とワインの相乗効果を生み出します。
揚げ餅(米菓子)×甘口リースリング
揚げて砂糖をまぶしたお餅のようなデザートには、中甘口の「2024 Brooks Sweet P Riesling」がおすすめです。ワインの持つハチミツやレモンのような風味が、お餅の優しい甘さを引き立てつつ、酸味が重たさを感じさせない軽やかなフィニッシュを演出します。
食のグローバル化が生む新たな食文化の展望
既存のペアリング概念を超えて
これまで、ワイン業界におけるペアリングの提案は、多くの場合、欧州中心の食文化に偏っていました。しかし、現代のワイン愛好家たちは、より多様で多面的な食体験を求めています。今回のCHO氏の提案は、韓国料理という枠組みを超え、ワイン業界が「人々の変化する経験や多様な食文化」に追いつく必要性を強く示唆しています。
多様性がもたらすワイン市場のチャンス
特定のルーツを持つ料理に合わせたワインの提案は、単なるメニューの提案に留まりません。Cho氏がアジア系移民の食文化をワインと結びつけることで成功を収めているように、食文化の背景を大切にしたペアリングは、ワイン愛好家に新鮮な驚きを与え、業界にとっての大きなビジネスチャンスにもなり得ます。今後、地域特有の食材やスパイスとワインを論理的に結びつける動きは、より広範な消費者にワインの楽しみを届ける重要な鍵となるでしょう。