
UBS、2027年までに最大1万人の人員削減か? クレディ・スイス統合の次なる一手
UBSは、2023年のクレディ・スイス買収後、大規模な人員削減に着手する見込みであることが報じられています。この再編は、両行の統合プロセスの一環として、コスト削減を目的としています。
人員削減の規模と背景
UBS、最大1万人の人員削減か
UBSは、2027年までに最大10,000人の人員削減を行う可能性があると報じられています。これは、2024年末時点で約110,000人であった行員のおよそ9%に相当します。この削減は、合併したクレディ・スイスの事業統合に伴う効率化を推進するためとみられています。
削減方法とスイス国内への影響
UBSは、人員削減の大部分を自然減(退職、異動など)や早期退職、社内異動、外部委託業務の内製化によって達成する方針を示しています。スイス国内においては、統合プロセスの一環として約3,000人の削減を見込んでおり、この数字に変更はないとのことです。
統合の進捗と人員の変化
2023年夏には約119,100人だったUBSの従業員数は、2025年9月末には約104,427人に減少しており、約15,000人の削減が既に実施されています。今後、クレディ・スイスの統合がどのように進むかによって、四半期あたり約1,250人、今後4〜5四半期で最大2,000人規模の追加削減が見込まれるとされています。
クレディ・スイス統合がもたらす再編の波紋
UBSによるクレディ・スイスの買収は、2008年の金融危機以来最大規模の銀行統合であり、スイスの金融センターとしての地位にも影響を与えかねない出来事でした。この統合は、両行の従業員に大きな不確実性をもたらし、今回の報道は、その影響が依然として続いていることを示唆しています。
グローバル金融における再編の潮流
UBSの人員削減は、金融業界全体で進行している効率化とデジタル化への対応という、より大きな潮流の一部と捉えることができます。AIの台頭や市場環境の変化に対応するため、多くの金融機関が人員体制の見直しを進めています。
今後の展望とリスク
今回の報道は、UBSが統合プロセスの最終段階に進む中で、さらなる効率化を目指していることを示しています。しかし、大規模な人員削減は、行員の士気低下や、残された人材への過度な負担、さらには専門知識や経験の喪失といったリスクも伴います。UBSがこれらの課題にいかに対応していくかが、今後の成長戦略の成否を左右する鍵となるでしょう。