カナダ在宅勤務者の3割が知らない?自宅オフィス経費の税額控除、取りこぼしのリスク

カナダ在宅勤務者の3割が知らない?自宅オフィス経費の税額控除、取りこぼしのリスク

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カナダで2025年度の所得税申告が開始されましたが、在宅勤務をしていた多くのカナダ人が、自宅での業務にかかった費用を控除できる税制上の優遇措置があることを知らないまま申告している可能性があります。この「認識のギャップ」は、数百万ドルもの還付金を取りこぼすリスクにつながっています。本記事では、この問題の背景と、在宅勤務者が取るべき具体的な対策について解説します。

知られざる在宅勤務の税制優遇

在宅勤務者の税額控除対象者

2025年、カナダでは約4人に1人(26%)が、週の半分以上を自宅で勤務していました。これは、カナダ歳入庁(CRA)の基準に基づけば、自宅のオフィスにかかる費用(光熱費、インターネット料金、事務用品費など)を所得税から控除できる対象となります。しかし、最新のデータによると、在宅勤務をしていたカナダ人の31%が、この控除の対象となることを認識していません。

控除を申請しない理由

さらに、在宅勤務をしていた人々の36%は控除を申請する意向がなく、13%はまだ判断を保留しています。この認識不足は、個人にとっては還付金の取りこぼしに、国全体としては税収の機会損失につながる可能性があります。

雇用主のサポート状況

雇用主からのサポートも一様ではありません。在宅勤務に関する費用控除について、60%の従業員が雇用主から具体的なガイダンスを受けていないと回答しています。また、控除申請に必要となる雇用主からの T2200 フォーム(雇用条件申告書)を受け取っているのは、わずか23%にとどまっています。この状況は、リモートワークという新しい働き方と、それに伴う税務上の手続きへの理解や準備が、カナダ全体で十分に追いついていないことを示唆しています。

在宅勤務税額控除を最大限に活用するための考察

働き方の変化と税務知識の乖離

リモートワークやハイブリッドワークは、もはや一時的な流行ではなく、カナダの労働環境における恒久的な変化となりつつあります。しかし、この変化に対応するための税務知識の普及が追いついていないのが現状です。特に、従業員が正当な税額控除を受けられないままいることは、所得の最大化という観点から見ても、また、税制が現代の働き方を適切に反映していないという観点からも、見過ごせない課題と言えます。

雇用主と従業員の連携の重要性

この問題の解決には、雇用主と従業員双方の積極的な関与が不可欠です。雇用主は、従業員が在宅勤務にかかる費用を適切に把握し、控除を申請するために必要な情報や書類(T2200フォームなど)を提供することで、従業員をサポートする重要な役割を担います。KJ Lee氏(Employment Hero Canada CEO)が述べているように、雇用主が「税務の専門家」である必要はありませんが、従業員が自身の権利を理解し、活用できるよう、情報提供やガイダンスを行うことで、従業員の満足度向上や生産性向上にもつながります。

従業員が取るべき具体的なステップ

従業員自身も、この税制優遇を最大限に活用するために、いくつかのステップを踏むことが推奨されます。まず、勤務する4週間のうち50%以上を自宅で勤務する必要があるというCRAの基準を理解し、自身の状況が対象となるかを確認することです。次に、光熱費、インターネット料金、事務用品費などの記録を保持し、必要であれば家賃や住宅ローンの控除対象分を計算することです。そして最も重要なのは、不明な点があれば、ためらわずに雇用主に相談し、必要な情報や T2200 フォームの入手を試みることです。多くのカナダ人が、自身が控除の対象者であることを認識していないため、この機会を逃さずに情報収集を行うことが重要です。

画像: AIによる生成