犬視点のホラー映画『Good Boy』、SXSWで絶賛!新境地を開拓するPOVホラーの魅力とは?

犬視点のホラー映画『Good Boy』、SXSWで絶賛!新境地を開拓するPOVホラーの魅力とは?

カルチャーホラー映画POVSXSW映画レビュー
犬の視点から描かれる斬新なホラー映画『Good Boy』の予告編が公開され、そのユニークなアプローチが注目を集めています。2025年のSXSW映画祭では批評家から絶賛を受け、インディーワイヤーでも「今年のベスト作品の一つ」と評された本作は、これまでになかった視覚体験で観客を恐怖のどん底に突き落とす可能性を秘めています。

愛犬が恐怖の目撃者に?『Good Boy』の衝撃的な世界観

犬の視点で描かれる日常と非日常

本作『Good Boy』は、主人公である犬の「マックス」の視点を通して物語が展開されます。普段見慣れたはずの日常が、犬の純粋で本能的な感覚を通して、予期せぬ恐怖へと変貌していく様が描かれます。飼い主の愛情、散歩の喜びといった犬にとっての幸せが、ある出来事をきっかけに、理解不能で恐ろしい事態へと繋がっていきます。

「見ている」だけでは終わらない恐怖

映画は、マックスが目撃する出来事をそのまま映し出すことで、観客をマックスの感情や感覚に強く没入させます。言葉を話せないマックスの戸惑いや恐怖が、映像と音響効果によってダイレクトに伝わるため、単に「見せられる」ホラーとは一線を画す、体験型の恐怖を提供します。

SXSWでの高評価が示す可能性

2025年のSXSW映画祭で批評家から軒並み高評価を得たことは、本作が単なる斬新なアイデアに留まらない、完成度の高い作品であることを示唆しています。特にインディーワイヤーが「今年のベスト作品の一つ」と評したことは、その革新性とエンターテイメント性の両立を証明するものと言えるでしょう。

犬という存在が持つ「無垢さ」と「恐怖」の対比

犬は一般的に「無垢さ」「忠実さ」の象徴とされます。しかし、本作ではその純粋な視点が、人間が作り出す、あるいは遭遇する「恐怖」を捉えることで、恐ろしい現実を浮き彫りにします。この「無垢さ」と「恐怖」の対比こそが、『Good Boy』を単なるホラー映画以上のものにしている要因の一つと考えられます。

『Good Boy』が切り開く、POVホラーの新たな地平

「動物視点」という斬新な切り口がもたらす没入感

これまでにもPOV(Point of View)ホラーは数多く存在しますが、本作のように「犬」という、人間とは異なる知覚や本能を持つ生物の視点に徹底的にフォーカスした作品は極めて稀です。この斬新な切り口が、観客にこれまで体験したことのない「知っているようで知らない世界」への没入感を提供します。犬が何を感じ、何を見ているのか、そのフィルターを通して恐怖を追体験することは、観客の想像力を掻き立て、より深い恐怖体験へと導くでしょう。

「声なき証人」の視点が暴く人間の闇

言葉を発せない犬の視点だからこそ、人間社会に潜む理不尽さや陰惨な真実が、より赤裸々に、そして鋭く描かれる可能性があります。マックスは、理解できない出来事にただ怯え、逃げ惑うのかもしれません。しかし、その「見ている」という行為自体が、隠蔽されようとしていた人間の悪意や過ちを記録し、暴き出す「声なき証人」としての役割を果たすのではないでしょうか。この「無知」ゆえの「証言」が、観客に強烈な印象を残すはずです。

ホラー表現の進化と多様性への期待

『Good Boy』の成功は、ホラー映画というジャンルにおける表現の可能性をさらに広げるものです。動物の視点、あるいは人間以外の知覚を持つ存在の視点を取り入れることで、これまでのホラーが扱いきれなかった新たな恐怖の形や、社会的なテーマを描き出すことができるはずです。本作が、今後のホラー映画における「視点」の多様化、そしてより実験的なアプローチを後押しする起爆剤となることを期待します。

画像: AIによる生成