ロイヤル・エンフィールド、二輪車へのGST統一18%を提言：インドのグローバル優位性維持の鍵

ロイヤル・エンフィールド、二輪車への統一18%GST率適用を提言：インドは既に二輪車市場をリード

インドを代表する二輪車メーカーであるロイヤル・エンフィールドは、政府に対し、排気量に関わらず全ての二輪車に統一的な18%の物品・サービス税（GST）率を適用するよう強く求めています。同社のサイラス・ミストリー会長は、この変更がインドの二輪車市場のグローバル競争力を維持するために不可欠であると訴えています。

インドの二輪車市場とGSTの現状

グローバル市場におけるインドの強み

サイラス・ミストリー会長は、インドの二輪車メーカー、特に小排気量クラスで世界をリードしている現状を強調しました。さらに、中排気量クラスへの進出も進んでおり、この勢いを維持するためには、政策的な支援が不可欠であるとの見解を示しています。

現行GST制度とその影響

現在、インドでは自動車全般に28%のGSTが課されており、さらに車種に応じて1%から22%の追加的な物品税が加算される場合があります。ロイヤル・エンフィールドは、この税制が特に高排気量バイクのセグメントを圧迫し、インドがグローバル市場で培ってきた優位性を損なう可能性があると懸念しています。

小排気量・高排気量バイクへの税率提言

同社は、350cc以下のバイクへのGST引き下げは市場の裾野を広げる一方で、350cc超のバイクへの増税は、インドがグローバル市場で競争力を維持するために極めて重要なこのセグメントを痛めるだろうと指摘しています。統一18%のGST率を適用することで、インド市場全体の成長を促進し、グローバルでのリーダーシップを強化できると主張しています。

GST統一がもたらすインド経済への影響

投資と国際競争力の維持

サイラス・ミストリー会長は、高排気量バイクへの増税は、わずかな税収増しか見込めない一方で、このセグメントの縮小を招き、インドがグローバル市場で競争していくために不可欠な投資を阻害する可能性があると警鐘を鳴らしています。インドのライダーにとって、これらのバイクは贅沢品ではなく、自動車に代わる効率的で経済的な選択肢であり、燃料輸入削減にも貢献していると説明しています。

消費者の負担と市場の活性化

現在、インド国民のわずか1%しか350cc超のバイクを所有していないというデータに触れ、高排気量バイクへの増税は、一部の層に過度な負担を強いるだけでなく、市場全体の活力を削ぐ可能性があることを示唆しています。GSTの統一化は、より多くの消費者が高品質な二輪車にアクセスできる機会を増やし、市場全体の活性化につながると期待されています。

インドの二輪車市場リーダーシップの強化

中国、日本、欧州、米国などの競合他国と比較して、インドが二輪車市場で優位に立っている現状を再確認し、統一GST政権への移行は、このリーダーシップをさらに強固なものにすると会長は述べています。この政策変更は、インドが世界の二輪車製造・販売の中心地としての地位を確固たるものにするための重要な一歩となるでしょう。