
オスカー候補脚本家がイランで逮捕:表現の自由への懸念と芸術家の抵抗
脚本家メフディ・マフムディアン氏の逮捕
オスカーにノミネートされた映画『It Was Just an Accident』の共同脚本家であるメフディ・マフムディアン氏が、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を非難し、反政府デモへの弾圧を「組織的な人道に対する国家犯罪」と呼ぶ公開声明に署名した後に逮捕されました。この声明には、ジャファル・パナヒ監督自身も署名しており、イランにおける表現の自由がいかに制限されているかを示しています。
パナヒ監督とマフムディアン氏の関係
パナヒ監督は、マフムディアン氏との出会いが刑務所内であったことを明かしています。マフムディアン氏が9年間服役した経験を持つことから、社会の様々な人々に対する深い理解を持っているとパナヒ監督は述べ、それが映画の対話作成に協力してもらうことになった理由だと語りました。この関係性は、困難な状況下でも生まれる創造性と連帯の強さを示しています。
劣悪な刑務所環境
逮捕されたマフムディアン氏と他の活動家たちは、非常に劣悪な環境で拘留されていると報じられています。マフムディアン氏とアブドラ・モメニ氏は、30人の囚人が収容されている17メートル四方の独房に押し込められており、その中には麻薬取引や殺人などの重罪で収監されている者も含まれています。また、女性活動家ヴィダ・ラッバーニ氏は、尋問中にヒジャブの着用を拒否したことで、髪を掴まれ暴力的扱を受けたとのことです。
イランにおける表現の自由の現状と今後の展望
芸術家への弾圧の背景
イランでは、長年にわたり芸術家やジャーナリスト、活動家に対する弾圧が続いており、政権に批判的な言動は厳しく罰せられています。特に、社会の不正や権力の乱用を告発するような作品は、当局からの標的となりやすい状況があります。今回のマフムディアン氏の逮捕も、このような広範な弾圧の一環と見ることができます。
国際社会への影響と連帯の重要性
オスカーノミネートという国際的な注目が集まる中で起きた今回の逮捕劇は、イラン国内外のアーティストや人権団体から強い非難を浴びています。このような国際的な圧力は、イラン国内の表現の自由を求める動きを後押しする可能性があります。また、パナヒ監督が語ったように、困難な状況下でも連帯し、互いを支え合う姿勢は、抑圧に対する抵抗の重要な要素となります。
今後の展望:沈黙させられない声
ジャファル・パナヒ監督のような著名な映画監督が声を上げ、国際社会が関心を寄せることで、イランにおける表現の自由の問題は一層注目を集めるでしょう。マフムディアン氏の逮捕は痛ましい出来事ですが、同時に、不正に対して声を上げることの重要性を再認識させる機会ともなります。今後も、イランの芸術家や活動家たちの声に耳を傾け、彼らが直面する課題への理解を深めていくことが求められます。