『ダブルドラゴン』『くにおくん』生みの親・岸本良久氏が遺したもの──ベルトスクロールアクションの原点を辿る

『ダブルドラゴン』『くにおくん』生みの親・岸本良久氏が遺したもの──ベルトスクロールアクションの原点を辿る

カルチャーデジタルゲーム岸本良久ダブルドラゴンくにおくん訃報ゲームクリエイター

ビデオゲームの歴史に燦然と輝く名作『ダブルドラゴン』や『熱血硬派くにおくん』シリーズを生み出したゲームクリエイター、岸本良久氏が64歳で逝去されました。多くのプレイヤーに熱狂と興奮を届けた氏の功績は、現代の格闘ゲームやアクションゲームの基礎を築き、今なお多くの作品にその精神が受け継がれています。

ベルトスクロールアクションを確立した革新者

『熱血硬派くにおくん』と自身の体験

岸本氏は、自身の若き日の激しい感情や実体験をゲーム制作の源泉にしていました。特に1986年の『熱血硬派くにおくん』は、ブルース・リーの映画や、彼自身の反骨精神を反映した作品として誕生しました。主人公のくにおくんは、仲間を助けるために地元の不良たちを次々と倒していくという物語で、当時のプレイヤーに強烈なインパクトを与えました。

ジャンルの発展を導いた『ダブルドラゴン』

後に世界的なヒットとなった『ダブルドラゴン』は、当初は『くにおくん』の続編的な企画として開発が進められていましたが、物語や設定が独自に進化し、ビリーとジミーという二人の兄弟が活躍する作品となりました。この作品は、格闘アクションの定番となった「ベルトスクロール」というスタイルを決定づけ、後のゲーム業界に多大な影響を及ぼしました。

都市伝説から生まれた名作の系譜

岸本氏が手がけた作品は、アメリカでのローカライズ過程で『Renegade』としてリリースされるなど、文化や地域を超えて親しまれました。そこから派生した『くにおくん』シリーズや『ダウンタウン熱血物語』(海外名:River City Ransom)などは、アクションにRPG要素を融合させるなど、常に挑戦的なアイデアを盛り込み、長年にわたって愛される伝説的なシリーズとなりました。

ベルトスクロールの系譜が現代のゲームに与える影響

個人の感情をゲーム体験へと昇華する手法

岸本氏のクリエイティブの核心には、常に「個人の生々しい感情」がありました。失恋の悔しさや若き日の鬱屈としたエネルギーを、爽快感のあるアクションゲームへと変換する手法は、今でこそインディーゲームなどで一般的ですが、当時としては非常に革新的でした。このアプローチは、プレイヤーの共感を生む重要な要素となり、ゲームを単なる娯楽から、開発者の魂が投影された表現媒体へと引き上げました。

ジャンルを超えたアクションのDNA

氏が確立した「ベルトスクロール」の手法は、『ファイナルファイト』や『ベア・ナックル』といった後続のヒット作はもちろんのこと、『ストリートファイター』をはじめとする対戦格闘ゲームの根底にも息づいています。今日、私たちが楽しんでいる多くのアクションゲームの「手応え」や「操作の心地よさ」の源流には、岸本氏が追求したリアリティと爽快感のバランスが存在していると言っても過言ではありません。

画像: AIによる生成