カビの力でマットレスを断熱材に!廃棄物ゼロを目指す革新的リサイクル技術

カビの力でマットレスを断熱材に!廃棄物ゼロを目指す革新的リサイクル技術

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米国では毎日5万枚ものマットレスが廃棄され、埋立地では分解に120年もかかると言われています。しかし、オーストラリアのスウィンバーン工科大学の研究者たちが、この厄介な廃棄物をエコな断熱材へと変換する画期的な方法を開発しました。その秘密兵器は、なんとペニシリンの仲間である「カビ」なのです。

廃棄マットレスが断熱材に変わるまで

カビの力で廃棄物に第二の人生を

研究チームは、古くなったマットレスから採取したポリウレタンフォームを粉砕し、そこにペニシリウム・クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)というカビの胞子を組み合わせて培養しました。このカビの根(菌糸)がフォームに絡みつくことで、天然の炭酸カルシウムが生成されます。

驚異の耐熱性を持つ新素材

生成された炭酸カルシウムは、フォームと結合して軽量かつ高密度な素材を形成します。この新素材は、約1,832°F(約1,000℃)という驚異的な高温にも耐えることが実験で確認されており、既存の断熱材に匹敵する断熱性能を持っているとのことです。

建材の未来を切り拓く可能性

この研究は、廃棄されたマットレスに第二の人生を与えるだけでなく、環境に優しい建材の開発に繋がる可能性を秘めています。将来的には、耐火性断熱材や建材パネル、さらには3Dプリンターによる建築部材としての応用も期待されています。

持続可能な社会への貢献:バイオテクノロジーと製造技術の融合

廃棄物から価値を創出するサーキュラーエコノミー

この技術は、廃棄物を価値ある製品へと転換するサーキュラーエコノミー(循環型経済)の好例と言えます。マットレスの廃棄問題という大きな課題に対し、生物学と製造科学を融合させることで、環境負荷を低減し、社会全体の持続可能性を高める新たな道筋を示しています。

未来の建築を支えるエコ素材

カビを利用したこの断熱材は、従来の建材に比べて製造過程でのエネルギー消費や環境への影響が少ないと予想されます。今後、さらなる研究開発が進むことで、より安全で環境に優しい建築資材として、私たちの住まいや都市のあり方を大きく変える可能性を秘めていると言えるでしょう。

画像: AIによる生成