
Zomato創業者、新興企業Templeで「体脂肪率」も採用基準に パフォーマンス文化を体現する異色の採用戦略
1. 体脂肪率の基準
Templeでは、全職種において技術力に加え、身体的な基準も重視しています。男性は体脂肪率16%未満、女性は26%未満という具体的な数値を設定しており、これはエリートアスリート向けのウェアラブルデバイスを開発するという同社の目標と密接に関連しています。
2. 潜在能力を評価する「条件付き採用」
現在のフィットネスレベルが基準に満たない優秀な候補者に対しても、Templeは3ヶ月間の見習い期間を設けています。この期間内に所定の体脂肪率に達することができれば、正式採用となります。これにより、フィットネスが単なる応募資格ではなく、継続的なパフォーマンス目標として組み込まれています。
3. 多岐にわたる専門職の募集
Templeは、脳科学、AI、ハードウェアなど、高度な専門知識を要する12の職種で人材を募集しています。具体的には、ニューラル・バイオセンシング(BCIエンジニア、計算神経科学者など)、ハードウェア・AI(組み込みシステムエンジニア、深層学習専門家など)、素材・デザイン(CMFスペシャリスト、接着材料エンジニアなど)、そしてプロダクトマネージャーといった、最先端技術開発に不可欠な人材が求められています。
4. チームとプロダクトの一体化
Goyal氏は、チームメンバーが開発する製品のユーザー像を体現すべきだと考えています。エリートアスリート向けの高性能ウェアラブルを開発するにあたり、チーム自身も高い身体的規律を持つべきだという考えが、このユニークな採用基準の根底にあります。
パフォーマンス文化を体現する採用戦略:Templeから見る未来の働き方
1. 「カルチャーフィット」の再定義
Templeの採用基準は、「カルチャーフィット」という言葉の概念を大きく広げるものです。単に企業文化に合うか否かだけでなく、開発するプロダクトの特性をチームメンバー自身が体現することを求める姿勢は、極めて高いレベルでのコミットメントと、プロダクトへの深い共感を醸成する可能性があります。これは、単なる「好き」を超えた、「体現する」レベルでのエンゲージメントを求める、新しい働き方の潮流を示唆していると言えるでしょう。
2. 身体能力と知的能力の融合の可能性
Goyal氏のアプローチは、身体能力と知的能力を切り離して考える従来の価値観に一石を投じます。エリートアスリート向けの製品開発という文脈では、身体的な限界や可能性を深く理解しているチームが、より革新的なソリューションを生み出す可能性は十分に考えられます。今後、特定の専門分野においては、このような身体的・精神的両面からのアプローチが、イノベーションを加速させる鍵となるかもしれません。
3. 採用における倫理的・社会的な議論
一方で、体脂肪率のような身体的特徴を採用基準に含めることについては、倫理的、社会的な議論を呼ぶことも避けられません。個人の健康やプライバシーへの配慮、そして潜在的な差別につながらないかといった懸念も存在します。Templeの試みが成功するかどうかは、その革新性だけでなく、これらの懸念にどう向き合い、透明性のあるプロセスを構築できるかにかかっていると言えるでしょう。これは、AIによる採用などが進む現代において、人間中心の採用とは何かを改めて問い直す機会を与えてくれます。