
【2日間開発】Xcode 26.3×AI×ボイスコマンド! iOSアプリ開発の新次元
近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、ソフトウェア開発の現場にも大きな変革をもたらしています。特に、Appleの開発環境であるXcodeに搭載されたAI機能は、開発者の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。本記事では、AIによるコーディング(vibe coding)を体験するために、Xcode 26.3とボイスコマンドを駆使して2日間でiOSアプリを開発した筆者の体験を基に、その可能性と課題を探ります。
AIとの協働で実現した驚きの開発スピード
開発プロジェクトの概要
筆者は、妻からのアイデアを基に、裁縫パターン管理アプリの開発に着手しました。このアプリは、紙媒体、デジタルPDF、書籍形式の裁縫パターンを効率的に管理することを目的としています。特に、紙媒体のパターンについては、NFCタグによる管理や、パターンの表紙・裏表紙の高画質画像キャプチャ、さらには画像からのベンダー名やパターン番号の抽出、バーコードの識別といった高度な機能も盛り込む計画でした。
Xcode 26.1での苦い経験
過去にXcode 26.1でAIコーディングを試みた際は、単純な「Hello, World!」アプリの作成は可能でしたが、それ以上の複雑な処理をさせようとするとAIが機能停止したり、ハングアップしたりするなど、実用には程遠い状況でした。当時は、OpenAIのCodexやClaude Codeといった外部AIを利用しても、スクリーンショットの読み込みや複数ステップの実行、設定ファイルの自動生成などが困難でした。
Xcode 26.3での劇的な進化
しかし、Xcode 26.3では状況が一変しました。AIアシスタントの統合が大幅に強化され、「エージェント」と呼ばれるAIが開発プロセスに深く関与できるようになりました。筆者は、既存の3Dプリンター用フィラメント管理アプリのコードを流用し、数日間の作業で52,947行のコードを追加・削除し、689ファイルにわたる変更を加えました。その結果、わずか2日間で、機械学習機能を含むiOSアプリの主要部分を完成させることができたのです。
AI開発における課題と考察
予期せぬトラブルとAIの限界
AIによる開発は驚異的なスピードを実現する一方で、予期せぬ問題も発生しました。特に、複数のAIエージェントが並行して動作する際に、システムがハングアップしたり、どの段階で問題が発生したのか把握できなくなったりすることがありました。また、AIエージェントがバックグラウンドで動作し続け、意図せずトークン割り当てを大量に消費してしまうケースも報告されています。これらの問題に対処するためには、Xcode IDE内でのエージェントの状況確認や、必要に応じたタスク停止機能の改善が急務です。
解決策としての指示の具体化
これらの課題に対し、筆者はAIへの指示(プロンプト)に「バックグラウンドエージェントやタスクを使用しない」「複数のエージェントに分割しない」「定期的に進捗を報告する」「1~2分以上かかる処理は、定期的なアップデートを行う」といった具体的な制約を追加しました。これにより、AIはより安定して動作し、開発は劇的にスムーズに進みました。
今後の展望:AIは開発の常識を変えるか
Xcode 26.3とAIアシスタントの組み合わせは、開発プロセスに革命をもたらす可能性を秘めています。特に、AIがコードのビルドやエラー修正まで自律的に行う機能は、開発者がより創造的な作業に集中できる環境を提供します。今後は、AIが大規模なリファクタリングやマイグレーションといった複雑なタスクを任せられるようになるかどうかが注目されます。また、開発者はAIとの協働における「指示の出し方」や「問題発生時の対処法」を習得していく必要があります。
AIによるボイスコマンドとIDEの統合は、開発体験を「エキサイティング」なものに変えつつあります。しかし、その道のりはまだ平坦ではありません。AIの能力を最大限に引き出し、効率的かつ安全な開発を実現するためには、開発者とAIツールの双方における継続的な進化が不可欠です。